星屑
初めてヒロトの口から聞いたあたしのことが好きだという言葉は、だけどもこんな形だった。


中途半端なあたしが悪いとでも言いたいらしいが、ヒロトは自嘲気味に笑い、視線を落とす。



「じゃあ、アンタと付き合えば満足なの?」


「俺のこと好きじゃなくせに?」


「だったら勇介と付き合えば良い?」


「お前はそれが良いの?」


また会話にならなくなる。


どちらからともなくため息を混じらせ、沈黙が続く中で、先に口を開いたのはあたしの方だった。



「とりあえず、こういう空気嫌だし、仲直りしようよ。」


「無理、嫌。」


「子供みたいなこと言わないで。」


ヒロトは息を吐き、不貞腐れた顔のままにあたしを見る。


てゆーかコイツ、それ以前に西女の彼女はどうなったんだろう、とは思ったけど。



「俺、当分機嫌直す気ねぇから。」


「宣言しないでよ。」


「つーか、帰るわ。」


引き留める術は持てなかった。


ヒロトは不機嫌な顔を引き連れ、さっさと保健室を後にする。


樹里と沙雪とスッチはドアの前で待ち構えていたのだろう、目が合うと苦笑いを浮かべていた。


スッチはヒロトに付き添い、樹里と沙雪は入れ違うようにあたしの傍へと足を進める。



「先に言っとくけど、うちら話の内容聞いてないからね?」

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