星屑
「おい、ヒロト!
そういう言い方はないんじゃね?」


見かねたのだろうスッチが横から口を挟むが、でも彼は舌打ちを混じらせる。


本当に、ヒロトは新学期になってもなお、手に負えないくらいに荒れていた。



「奈々ちゃんだってお前のこと心配してんじゃん。」


「それがイラつくんだよ!
マジで鬱陶しいから!」


彼はそう、制止しようとしたスッチさえも振り払った。



「ヒロト!」


あたしが声を上げた瞬間、掴まれた胸ぐら。


思わず身を強張らせるが、足がすくみそうなほどに睨まれる。


今までは、何だかんだであたしの言うことを聞いてくれていたヒロトなのに、今は嫌悪感さえ向けられている気がする。



「次また口出したら、お前でも容赦しねぇから。」


低い声で吐き捨て、ヒロトは手を離した。


それが彼の気持ちを受け入れることを拒んだからだとわかっていても、とても気分が良くなるようなことではない。


まるでもう、前とは別人のようだ。



「奈々、大丈夫?」


沙雪が不安そうにあたしの顔を覗き込むが、空笑いがやっとだった。


やっぱりみんなで仲良くしたいと思うことは、あたしのエゴだったのだろうか。


生半可な心配しか出来ないなら、言う資格がないこともわかってる。


勇介が嫌いなのだという彼の気持ちだって、わかっているのに。


それでもどうしても、悲しい気持ちになってしまうんだ。

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