年下カレシに蜜な罠
◆13*Honey



次第に迫ってくる足音。

きっと、瑠璃だ……。



後ろで弾けたのは、瑠璃の小さな悲鳴。



「――痛ッ…」

唇をギュッと噛み締めて
前に進む。



もう、――戻れない。




「凜久、お願い……!待ってよぉ!」

初めて聞いた瑠璃の悲痛な叫び。



瑠璃……
泣いてるの――?


グラリと揺らぐ俺の心。


心が折れそうになりながら、前へと踏み出す。


それでも尚、無視し続ける俺を
追ってくる声。


< 241 / 350 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop