年下カレシに蜜な罠



「……あ、瑠璃…と、凜久くん」


伏せられていた顔が持ち上げられて、切りそろえられたストレートの髪がサラリと揺れた。




「手紙……読んでくれた?」

「うん、読んだよ。ふたりで」

「――そう…良かった」


久しぶりに見た、瑠奈の笑顔。

隣に立つ凜久も、優しい顔をしてる。




「……今日、伝えようと思うの」

なんの迷いもなく、キレイに澄んだ瞳の色。



「頑張って、ね」

返事の変わりに、微笑んでくれる瑠奈。


帰っていく生徒たちに逆らうように、凜久と手を繋いで教室へと戻った。





「瑠璃、おかえり」

「遅かったじゃねぇか、凜久」


ふたりが待つ、教室へ――…


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