双-ふたつ-
プロローグ
例えば一枚のコイン。
鮮やかな文様で描かれている表を裏返すと、何の変哲も無い数字が刻まれている其れ。
表は華やかであれども、裏はつまらない事此の上無いのかも知れない。

そして此のコイン。
勿論表が在り、裏が存在している訳なのであるが、果たして片方が存在しなかったら?
其れは二次元にしか存在出来ない、と説明出来るだろう。
紙に書かれた其れ、でしかあるまい。

表が存在し、裏が存在する。其の逆も又然り。

こういった理論は、此の世界にも当て嵌る。

一人が作り出した二つの世界。
そして二つの世界に分離した一人。
故に一人が二人となってしまい、しかし二人の源はあくまで一人。

そんな相反する、鏡のような世界を創造主はこう名付けた。

『境(きょう)の世界』と。

そして、もう一つの世界を、

『根(こん)の世界』と、彼らは呼んだ。
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