ペロ
ペロ

約束の7時を少し過ぎた頃、片岡奈津美は現れた。

バレーボールをしているというだけあって、背が高かったのですぐにわかった。

梶原が近付き、挨拶をすると奈津美は少しだけ憂鬱そうに振り返った。

『貴方が・・ 梶原さん?
ごめんなさい、遅くなって・・・』

『いえいえ、こちらこそご無理を言って申し訳ありません。
おまけに、辛いことが起きた場所を指定したりして・・・』

奥にベンチがあるので座りましょうと、奈津美に促された。

長い髪を後ろに束ねた彼女の黒いワンピースの後ろ姿が颯爽と歩いて行くのを、梶原が慌ててついていく形となった。


なんだか気が強そうな人だ・・・。



< 38 / 68 >

この作品をシェア

pagetop