続きは、このままで…
そのまま直帰した私は、主様が用意した物を使って身なりを整えた。
クルリと揺れるように作った、華やかなヘアスタイル。
丁寧に作りこんでいてナチュラルな、メイクアップ。
嫌味が無く上品で、お嬢様らしさを匂わせるファッション。
最後に薬指に指輪を填めてしまえば、もう完璧としか言い様が無い――
だけれど鏡に映る自分に、酷く嫌悪感と吐き気を覚えてしまう。
今までだって仕事の為に、様々なスタイルに化けていたというのに。
イヤで、イヤで、仕方が無い・・・
こんなの…、私じゃない・・・