続きは、このままで…
普通に働いていればきっと、エリートになれたのに・・・
だけど今日は、表情が強張っていて、どこか態度もおかしい…。
「一体、どうしたの?」
その様子から、単刀直入に聞くのが一番だと思った。
兄はどんな仕事でも、顔色ひとつ変えずにやり抜く人間だから。
この様子はとても、ただ事じゃないと伝わって来たの・・・
「スパイの件…、バレた・・・」
「え・・・!?」
ポツリと紡がれた言葉に、思わず声を漏らしてしまう。
産業スパイがバレた――?