愛へ
「あたし、あんたと付き合うなんて一言も言ってないでしょ。勝手に思い込むの、やめてくんない？」

あたしがそう言うと、藤堂誠は急に笑い出した。


「男なら誰でもいいんじゃないの？愛ちゃん？」

ニヤニヤしながら、藤堂誠は言う。


「はぁ？」

「知ってるよ、愛ちゃんって、プレイガールなんでしょ？男なら、誰とでもやるんでしょ？」

言い返せなかった。

藤堂誠の言うことに、偽りはなかったから、あたしはどうしていいか分からなくなった。


「だから、オレとだって、付き合えるだろ？拒否権はねえよ、相沢愛。お前は、オレの女になんだよ」


ありえない。

あたしは、こんな男と付き合いたいなんて思っていない。

なのに、どうして、こんな男と付き合わなきゃいけないんだろう。


こんな、オレ様丸出しの、紳士らしさの欠片もない男と。



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