恋時雨~恋、ときどき、涙~
静奈からそんな事を言われて、うれしくてたまらなかった。


耳が聴こえなくて面倒なはずのわたしに、会いたい、と言ってくれる女の子は静奈だけだ。


わたしは、静奈を、たまらなく大好きだ。


何をするにも、少しも面倒くさがらずにしてくれる。


高校を卒業する事ができたのも、短大でなんとか講義についつ行けるのも、静奈が隣に居てくれるからだ。


先生が黒板に書く事は、ルーズリーフやノートに写せば理解できる。


でも、先生の口から出る説明が分からない。


唇の動きが速すぎるのだ。


だから、その都度、静奈が手話で訳してわたしに教えてくれる。


静奈は、わたしの耳のような存在だ。


わたしのお父さんとお母さんも、そんな静奈に心から感謝していて、まるで自分たちの娘のように接している。


もし、静奈の身に何かあったのなら、その時は、わたしの全てをかけて力になろうと決めている。


耳が聴こえないわたしにできる事なんて、たかが知れているのだろうけれど。


静奈の白い肌から汗が引けた時、わたしのスマホに1件のメッセージが入った。


それは、あの人からのラインメッセージだった。




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