イジワル王子とお姫様
この前みたいに無防備なあの顔に、キュンとなる


周りをチラと見ると、近くの座席に座ってるスーツを着たおじさんが、珍しい物を見るように私を見ていた


あはは…。私、今かなり変態チック?!


膝を立てた状態で、自分の腕を枕に眠るナツキくんの寝顔は…


ギュッと抱きしめたくなるほど、かわいかった


血は…吐いてないよね


良かった。そう思って立ち上がろうとすると、突然携帯が鳴り出した


わっ、私!?慌てて座席に置いた携帯に手を伸ばしたけど、よく考えたら私の着信音じゃない


ナツキくんの携帯だったみたいで、爆睡中だったはずなのに彼は瞬時に携帯を耳にあて、誰かと話していた


「…おー。…え、今?」
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