イジワル王子とお姫様
あ!あれ、携帯だぁ!…って事は


私は急いで、ナツキくんの側に駆け寄った


「ナツキくん!携帯あったの?」


「あぁ…。良かった…」


ナツキくんが店員さんにありがとうございましたと、ペコとお辞儀をする


私も合わせて、お辞儀をした


「こちらこそ、申し訳ありません。お客様の席を片付けた後に、椅子の上に携帯が落ちてたんですけどね。従業員が他の者に伝え忘れて休憩に出てしまって…」


「あ…いえ。こっちの不注意なんで。本当にありがとうございました」


ナツキくんはそう言ってもう一度お辞儀をすると、そそくさとお店を出る


そして私を見て、ばつの悪そうな顔をした


「…怒った?」
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