イジワル王子とお姫様
ナツキくんのお父さんは、前回みたくたまに個展を開いている以外は、撮影の為に各地を旅していて


今月はずっと、私たちが今から向かう土地に滞在してるらしく、せっかくだから友達連れておいでと言われたみたい


ナツキくんと名字が違うのは…お父さんとお母さんは籍を入れてないからだって聞いた


決して、家庭不和って訳じゃあなく…。何となく詳しくは聞けなかった




新幹線の改札に着くと、杏と銃士くんはもう到着していて、二人でガイドブックを開き、あーだこーだと盛り上がっていた


「杏、おはよ!遅れてゴメンね。ナツキくんはうちに早めに来てくれたんだけど、私の用意が遅れちゃってぇ…」


「そんなの分かってるよ。さ、出発するよ~!」


あはは、バレてたか。そりゃそっか。ナツキくん今まで走るのも遅刻した事ないし…時間にはキッチリしてる人だよね


「何?」


ナツキくんを見ると、同じタイミングで私の方を見てくれる
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