イジワル王子とお姫様
私を……助けてくれたんだ?


そう思って慌てて、ありがとうってお礼を言おうとしたら、あの子はいつもの調子でこう言い切った。


「他のヤツにイジメられてんじゃねーよ!お前をイジメていいのはオレだけだからっ」


そう言って、ドンと突き飛ばされた。


えええぇっ!?


勢い余って、私の体は地面に転がってしまう。


痛ぁ……。


手をついて倒れ、地面に擦れた指から血が滲み出てくる。


それを見て、あの子の表情が一変した。


意地悪な顔から、不安そうな表情になり、私のそばへ駆け寄って来た。
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