イジワル王子とお姫様
ヘバってるくせに…さっき吐きかけだったし、見たら分かるんだから


私だって…こんなにしんどいのに


寝転ぶナツキくんの横で、私は地面に膝をつく


しばらく肩で息をした後、私の体もだんだん落ち着いてきた


「もぉっ。ナツキくん…何でいきなりあんな事言い出したの?」


「やっぱりな…聞いてた通りだった」


「え?」


ナツキくんの意外な一言に、目が点になる


「杏が言ってた。桃は頭の回転悪いけど、足は驚くほどはぇ~って」


「うそっ!杏は絶対そんな言い方しないよ」


「ハハッ、バレた?頭の回転は付け足したけど、短距離速いのは聞いた」


ナツキくんは、寝転んだままの姿勢で私をチラリと見る
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