冬の華

過去の精算…生得

項垂れたままポツリポツリと語り始める過去。

「一目見てナルが人でないことは解っていたの。
…近付きたい触れたい衝動を止められなかったのよ。
既に魅せられていたのね…」

声が詰まる程の何かを母は隠しているのだろうか?

「ナルに惹かれていく気持ちを…押さえることなんて出来なかった何も考えられなくなっていたわ」

ヌルがハデスである以上…
母がヌルに執心してしまうのは…仕方ないことだった。

「気付いた時には…貴方が居た」

母の中にあるのは今でも深い後悔なのだろう…。

俺は母の自責の念…。

「貴方が私の目を冷まさせたの」

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