ぶす恋
じょりじょり
じょりじょり
じょりじょり

全く会話がなく、部屋には私の髪を切る音しかしない。


「あ・・・のさ、今日はちょっと無理やりのとこあったよね。ごめん。」

「全然!なんか、むしろ嬉しかったよ!あんなこと言われたの初めてだったから。」


けんとくんが少し笑ってよかったーと、つぶいた。


その後は、話がすごくはずみ、雪音ちゃんのことや学校のことなど、いろいろ話した。

けんとくんと話してる間は、不思議と自然な笑顔ができたんだ。



「よしっ。完成~!」


「ただいま~。完成した~?」

私の完成と同時に雪音ちゃんが帰ってきた。


「えぇ!?ふつーによくなった!てか、かわいいっ!」

雪音ちゃんが驚いた顔をした。

「だろー?おれの腕なめんなっ☆」


二人が笑いあってるあいだに、私は近くにあった鏡で自分の顔を見た。

「え・・・!?私じゃないみたい!」

鏡にうつっていたのは、可愛いとはまだとうてい言えなさそうだけど、でも、全然ましになり、とてもいきいきしている私だった。


「まずは、バンク(前髪)切って、あと髪の長さもロングから、セミロングにして、仕上げに全体的にすいた。」

けんとくんが、鏡をみている私に説明をしてくれた。

「じゃあ、次は髪染めよっ☆」

「うん!」

なんか、だんだん楽しみになってきたー!
自分に自信がもててきた。


それを雪音ちゃんとかに話したら、まだまだこれからだよって言われちゃったけどね(笑)






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