あたしの中のアタシ。



ひゅーっと冷たい風が吹いて綺羅の体が地面に倒れる。


それは突然に訪れた。



まるで、冷たい風が全てを奪い去ってっいたかのように。





さっきまで泣いていた綺羅の涙を指で拭い、ゆっくり立ち上がる。




──誰も守ってくれないなら、自分で自分を守ればいい




「もう大丈夫。



あたしはアタシが守るから。



ねぇ?綺羅?」





アタシはアタシの中の綺羅に、そっと呟いた──



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