ブルーモーメント
傷つける勇気


泣き叫ぶ私に

彼女は冷たい言葉を口にした

慰めを期待していたから

自分が否定されたようで

あなたもあの子と同じなんだと

彼女に当たり散らした

私が涙をぼろぼろ流す間

振りほどこうとした手を

優しく握りしめていた

黙っていた彼女の瞳は

きっとぶれることはない

「傷つけてごめんね」

やがて震えるその言葉が

耳に溶けて染み込むころ

すべてを思い出す

この手がはなれたとしても

いつの日も

心を見捨てることは決してない

私を救い出すのは

たったひとつ

彼女の 傷つける 勇気
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