私立帝誠学園生徒会
初めての出逢いはまだ見ぬ心のときめきを知らせるようで



「こんちはー」

二人が分厚くて彫刻が施された扉を開けて、中に入る。



「し、失礼しまーす・・・」

それに倣って私も入る。



中に入り、普通の学校の生徒会室とは比べ物にならないくらい煌びやかな室内に、私は息をのんだ。

まず目に入ったのは
縦に置かれている大きな机にそれを挟むように左右に置かれたソファーが2つ。
おそらく、大きな机を生徒会役員で分けて使っているようで、使う人が几帳面なのかキレイに整理されたところもあれば、片付けが苦手な人が使っているのか一角だけ書類が山積みになって散らかっているところもあった。


一番奥には、それとは別に机と椅子が置いてあり、生徒会長だけは他の役員とは違い別に席があるようだった。



「会長ー?」


椅子には書類と向き合っている男の人がいて。

呼ばれるとその人はふと顔をあげる。


「なんだ?」


二人を見たあと
視線は私に向けられる。




・・・うわ

・・・・・・かっこいい



つんとした目



書類と向き合っていたときのへの字に曲げられた口も、今は誠実そうに曲げられていて



さらさらだけど
ちょっとくせがありそうな髪も





無愛想に見えるけど、
凛としていて・・・




真っ直ぐに目を見つめられて
たじろいでしまう。






「実は、俺たちのせいでこの子がちょっと困った状況になっちゃいまして・・・・・・」


会長と呼ばれた人の視線は私から野球部の人に移された。



野球部の人が会長と呼ばれた人と話をしている。



しばらく話したところで-



「・・・なるほどな。事態は大方把握した。そこの転校生が自分たちのせいで女子寮に入れなくなったから、せめてもの償いに生徒会寮に入れないか、と・・・」


「はい」



そう言って生徒会長は、しばらく考え込むように目線を下に落とす。



「まあ 出来ないこともないと思うが、俺だけの判断だけではな。先生方に許可を取って、OKが貰えたら良いんじゃないか?」




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