深淵
時を待つ―エピローグ―
「暑いな・・」     


 雨の季節が完全に過ぎて、外には夏のニオイが薫っていた。



 セカンドとシンドウが死んで、センセイが姿を消した。



・・これからどーするかな。



 平穏の日々が訪れてもキョウスケは安堵することなく、つまらなさそうにしていた。



 戦士の日当日、キョウスケは学校を早退するとシンドウのねぐらに向かった。


 本当のねぐらは明らかになっていないと、シンドウが高を括っていると判断したからだ。



 変装をしたキョウスケは裏からシンドウ宅に忍び込むと、家の中を見回り、大量の睡眠薬を砕いて冷蔵庫の中にあった血液に混ぜた。



「盗んだのかな?」



 キョウスケは不意にシンドウの免許証と会社IDカードをポケットから取り出して眺めた。



 シンドウを殺したあとに何となく素性を知りたくなり盗んだ物だ。     



・・いい会社だな。どこで道を誤ったんだか。




 キョウスケはシンドウの首を折ったあと、外に引きずり出してノコギリで首を胴体から切り離した。
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