深淵
「さっさと返信しろよー・・待たせるな、俺を」                          
 そう言い放つキョウスケの顔は、人間のそれではなかった。                                

 鏡に映るキョウスケの顔は、目が鋭く釣り上がり、笑った口は裂けたよう開いていた。                                            
「きたきたきたきたきたぁ!」                                  
 10分も経たないうちにメールは返ってきた。                           

 メールのタイトルには“ようこそ、バーサーカー”と表記されていて、キョウスケはまた不気味な笑みを浮かべた。                               
「バーサーカー・・狂戦士ってか」
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