深淵
 どんなに考えても答えは見つからない。                             
 いや、答えなど「違う」と感じたときから出ているのかもしれない。                            
 趣向はおそらくは変えられない。



 だから周囲に合わせ、普通という仮面を被っていくしか、たぶん自分は生きてはいけない。                              
 あとは欲求を現実に満たすことなく、空想や妄想で、何とか我慢し生きていく。                                   
 そうでしか、この先生きてはいけない。                             
 キョウスケはいつしかそう自分に言い聞かせるようになった。                               
 強い精神力さえあれば乗り越えられる。                             

 そう信じていた。
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