◆太陽のごとくあいつは◆
売られたケンカは絶対に倍の値段で買っちゃうのが、美夏ねぇの悪いクセだよなぁ~。
まだ言い合いは終わっていないらしい。
と、麻美の言葉が急に晶螺あてにぶつかってきた。
『ねぇねぇっ、あとで晶螺くんのお部屋に遊びに行ってもいぃ?』
『…ぁ~…ぇっと』
急な質問で答えが一瞬遅れると、
すかさずそこに美夏の意地の悪い声が入ってきた。
『どーぞどーぞ♪
あたしたち同室だからっ。二人でおもてなしするねー♪』
美夏がキュっと晶螺の腕に手を廻し、軽く抱きついた。
『…!?』
晶螺は一瞬ビックリする。
美夏が必要以上にくっついてきて、上半身が自分の腕に密着状態だったから。
が、それより盛大なリアクションが反対隣からやってきた。
『なっ!!!ど、どどどどど同室ーーーーーッ!!?きゃー!ぃやー!!』
ぁ~、ダメだぁ♪
セリフが勝手に出ちゃうんだもん♪
美夏はドSなのかなんのつもりなのか、すでに勝ち誇った様子。
完全に調子に乗った美夏は、急に晶螺にベタベタし始めた。
『さーぁ、口あけて!アーンしてあげるからっ』
『ぇっ!?』
間抜けな声を漏らす晶螺。
『なっ!!!晶螺くん!!』
"言うこと聞くな!アーンするなよ"という目で見てくる麻美。