聖夜の約束
手をつけられていない朝食を見て夏姫は悲しくなった。


夏姫の食欲も無くなった。


ポタッ・・・


小さなテーブルの上が濡れた。


「あっ・・・」


自分の涙。


「レイくん・・・・」


考えてみれば携帯の番号やアドレス、レイがどこに住んでいるのかも知らない。


そう考えたらあふれ出す涙を夏姫は止められなかった。



(部屋の中ががらんとしていて寂しい・・・)


夏姫はベッドに膝を抱えて座っていた。


今にもドアが開いてレイが入ってきそうだった。



その日は寝るまでレイが戻って来てくれるのではないかと心の中で期待した。


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