聖夜の約束
レイはベッドの傍で膝を抱えて眠っていた。


「レイくん?だめだよ そんな所で眠ったら・・・」


夏姫の声でレイはさっと目を開けた。


夏姫は目を覚まして驚いた。


ベッドの傍にレイが眠っていたから。


壁時計を見るともうすぐ12時だった。


もうすぐ真夜中。


電車もなくなってしまう。


「今日はここで寝るよ 夏姫さんが心配なんだ」


「レイくん・・・だめだよ 風邪うつっちゃう」


夏姫が心配そうにかぶりを振る。


「大丈夫だって言ったでしょ?」


レイは微笑むと夏姫の額に手を置いた。



「少し下がったみたいだ 良かった薬が効いて」


電子体温計を夏姫の手の中に落とす。


夏姫は大人しく計り始めた。
< 50 / 142 >

この作品をシェア

pagetop