ナツ色の恋~最強男が愛した伝説の女~
「先生、ほっときなよ」
「鹿波さん、最近ほんと元気ないよね」
「ほら、愛村君が入院してるからじゃない?」
「愛村君の彼女気取ってるのかなぁ…」
「ありえるかも!愛村君かっこいいし、優しいし、勘違いできちゃうよねぇ」
こうやって面白おかしく話す連中がいるのも知っていた。
だって愛村は人気あるもん。
優しくて、かっこよくて、頭よくて。
勘違いしてる訳じゃない。
わかってるよ、ちゃんと。
“あたしはただの友達”だって。
だからせめて……、
友達として心配ぐらいさせてよ……。