ナツ色の恋~最強男が愛した伝説の女~
自分は、きっとこの世界にいらない存在だと想って、疑わなかった。
だけどそれじゃああまりにも悲しくて、虚しくて。
“あたしは、ここに確かに生きていたんだ”
って、証拠が欲しくなった。
ただ、誰かに必要とされたくなった。
傷つくこともあるとわかっていた。
だけど、あたしは人と関わらないなんて、できなかった。
「…ん……ちゃん?」
まさかソレが、伝説にまでなっているなんて。誰が思うのだろうか。
「えっ、あぁ、なんだっけ?」
人は独りでは、生きてなんていけない。
自分でも知らないところで、本当はいろんな人と関わってる。
たとえば、水道管にしたって、電気。
自分で水をひっぱってくることは出来ないし、電気を作り出すこともできない。
まぁ、きっと。
“独り”だと想うのは、理屈なんかじゃないんだ。
「お前、大丈夫?」
「いたって平気。ねぇ、愛村」
「なんだよ」
「何で、Satanって呼ばれてるの?」