爆暴走

隆吾side

「昌っ!バイク出すぞ!早く…。」


俺たちはただ、亜希が心配で心配で、その一心でいた。


「行くぞ!」


「おう。」



低く、猛獣のような音を立てるバイクのエンジンが、何故か気高く見えた。





―――――――

―――――


「誰も…いねぇ…。」


「騙されたか…。」


○○路地には、猫の声さえしないくらい何もなかった。



安心、したのだろう。


力が抜けた。

それは昌も同じだったようで。


でも、油断大敵とはこの事だろう。


ドスッッ!


隣、昌の方から殴った音が聞こえた。



横を見ると、頭を殴られたようで横たわっている昌、と…



背中に赤と黒の鳥を書いた特攻服…。



「赤鳥、だな。」


< 95 / 166 >

この作品をシェア

pagetop