【短】卑怯者





『俺だって、お前に触れたいと思う。

 男なんだから、当然だ。


 だが……触れようとする度に、
 怖くなるんだ。

 一度触れたら、理性が吹っ飛んで……
 お前を、壊してしまいそうで。




 だから………
 もう少しだけ、待ってくれないか?

 好きだから……愛してるから、
 大事にしたいんだ。


 それまでは、触れる代わりに
 言葉で伝えよう。

 お前が俺に不安な気持ちを素直に
 言ってくれたように、俺もお前に
 不器用なりに素直な気持ちを伝える。


 そうすれば、もう不安に
 ならなくて良いだろう?』




.
< 7 / 16 >

この作品をシェア

pagetop