永久色-TOWAIRO-


「お皿これでいい?」


食器棚から適当にだしてみせる。


「うん。OK♪」



けっこうバタバタしていたんだと思う。お手伝いさんがあわててきた。




「智也様っ!!私どもがやります。お部屋でお待ち下さい!!」




新人さんなのかな?
ずいぶん若い……。



「あなたは新しく入った方ですか?」


丁寧な口調ではなす智也。これじゃ、嫌われろって言われても無理な話だよ…



「え、あっ、はい!!草野早苗(クサノナサナエ)です!!」


キレイな人……。



「草野さんですか。よろしくお願いします。頑張ってください♪」


ドキッ

言われてもないのに胸がはね上がってしまう……。



「はいっ!!」


彼女は笑顔でさっていった。



「えーと。草野さん草野さん草野さん…」



え…もしかして智也……?


「草野さんのこと気になるの?」


仮にも彼女の前だよ…?




クスクスッ


「ククッ……違うって!!俺お手伝いさんの名前ひとりひとり覚えるようにしてるから。
ほら、俺ってこれぐらいしかできないじゃん?」






偉いなぁ。


なのにアタシなにいってんだか……。






< 75 / 330 >

この作品をシェア

pagetop