ブラッディ アリス
それから身なりを整え、部屋を出たアリスとラビ。
そこでちょうど一人の女性と鉢合わせた。
「アリスじゃない!大丈夫だった?」
活発的な印象の彼女は、ゾディアックの一人…ウィルゴ国貴族代表イザベラ・ヴァイオリア。
「イザベラ様…相変わらずお元気そうですわね」
「私は元気よ。今のところ…とくに大きな問題もないし。…それより…どうだったの?先日の処刑は…」
イザベラは興味津々というように、アリスに近づく。
「…それは…明日の会議で発表いたしますわ」
アリスは笑顔で答え、イザベラをかわす。
「…ふふ…口が堅いのは…父譲りかしら?…まぁいいわ。楽しみにしてる」
イザベラはボリュームのある茶色の巻き髪をなびかせると、アリスに微笑みかけた。