ブラッディ アリス
「まぁ…麗しき執事ですこと…」
ミス・サランはおっとりとした表情でラビを見た後、顔をアリスに向けた。
「…今日はどうなさいましたの?あなたがアリエスを離れるなんて…」
その問いに、アリスは誇らしげに微笑み返す。
「…嫌ですわ…ミス・サラン。…私、今は国外に出ることが多い身分ですのよ」
「…?…あぁ!…そうでしたわね…」
ミス・サランは、幼き頃のアリスを思い浮かべながら、優しい眼差しで成長したアリスを見つめる。
「…今は…アリエスの貴族代表ですものね…。…じゃあ…今日は…」
「ええ。今日明日はこのホテルでゾディアックの定例会ですの」
「まぁ…!じゃあ…もしかしたらあのゾディアックの面々に会えるのかしら?」
満面の笑みを浮かべたミス・サランは、手に持っていた豪華なバッグから何かを取り出した。
「…実はね、私…クラウド様のファンクラブ会員なのよ」
「…!」
アリスは見せられたファンクラブの会員証に、目を丸くする。