ブラッディ アリス
「Hänsel und Gretel」






「良い天気!…ねぇ見てよ!…カイル!」





朝7時過ぎ…目覚めたアリスは、陽の光が差し込む窓を全開にする。


「…もう朝?…まだ眠いんだけど…」
カイルは眩しそうに布団に潜り込む。

「早く起きなさいよ!置いてくわよ!」
そう言いながらアリスは楽しそうにカイルの布団を剥ぐ。

「…あぁもー…張り切りすぎ…アリス…」
カイルは仕方なく起き上がり、ラビがいないことに気づく…。

「…あれ?ラビは…?」

「…もう起きて朝食の準備してるわ。私は今からシャワー浴びてくるけど…」

アリスは窓の前に置いてある椅子に腰掛け、外を眺めた。


吹き抜ける優しい風に、金色の髪が優雅に靡く。

誇らしげな表情で、広大な自分の領地を見渡す若き女公爵…。


そんなアリスの姿をじっと見つめるカイル…。


「…僕もシャワー浴びたい…」

「じゃあ、一階か二階の使って。私は部屋のを使うから」

「…アリスと…一緒に…」


アリスはさりげなく呟いたカイルを睨む。

「…ラビに殺されてもいいの?…あ、もしかして…まだ寝ぼけてる?」






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