ブラッディ アリス
ちょうど二人が朝食を食べ終えた頃、外からラビが戻ってきた。
「おはよう。二人とも、もう出れる?」
爽やかな笑顔で登場したラビは、スタスタと二階への螺旋階段を上がって行く。
「待って。食後のコーヒー飲んでから」
カイルは新聞を見ながら、ナナリの入れてくれたコーヒーを飲んでいる。
「…あ、カイル!エアポートに行けば、すぐ出国できる?」
階段の途中で振り向き、カイルに尋ねるラビ…。
「大丈夫だよ。さっきメール入れといたから」
「わかった。じゃ、二人とも…先に車乗ってて…」
ラビの言葉に頷き、カイルはパサッと新聞をたたむ。
「…それじゃ…行きますか。お嬢様」
残りのコーヒーを一気に飲み干し、ゆっくり立ち上がるカイル。
「…そうですわね…。参りましょう…」
アリスはカイルに微笑み返すと、棚の上にある亡き両親の写真を見つめる…。
「…行ってまいりますわ…」
…誰も知らない…あなたと私のゲーム…。
今回も必ず…勝ってみせるから…。