ブラッディ アリス
「ジャックも…リトルメラ侯爵も……あなたを従わせるために二人を捜しているのね…」
アリスはクスクスと笑いながら、2・3歩戻り、鏡に体をピッタリとくっつけた。
「…鏡よ…鏡…。ヘンゼルとグレーテルは今…どこにいるのかしら?」
「…アリス?」
アリスの放つ呪文のような言葉に、不思議そうな顔をするカイル…。
「…『ヘンゼル』と『グレーテル』は……サジタリウス……この国にいます…」
真実しか答えられない…鏡の中の愚かな魔導師…。
「…ジャックは……オフィユクスに行って…二人が居ないことを知り……あなたに尋ねたのね……。…そして…この国にやってきた……。初めに聞けば良かったのに…」
「………」
「……いいわ…。私が二人を見つけてさしあげます…。そうすれば、あなたは私に従う身になるわ…」
アリスは、優しく微笑む。
「…ヘンゼルとグレーテルは…今…この国の…どこにいるのかしら…?」