ブラッディ アリス




結局…アリスとオウルは、タウティとクレスタの登場で家に戻ることとなった。

二人の帰宅に嬉しそうなノーカだったが、アリスの顔を見るなりムッとした表情を浮かべた。


「遅かったのね。兄さん」

「…ちょっとね、明日からの説明を受けてた」

意味深な兄妹の会話に、耳を傾けるアリス…。

そんなアリスに、心配そうに寄り添ったカイルは、アリスの肩をポンポンッと軽く叩いた。

「あとで、話があるから」

「…え?」

「……一人だけで考えるなよ…」

「…わかってるわ…」

アリスはカイルの顔をチラッと確認すると、静かにザリチェに近づいた。



「…さっきは…ごめんなさい…」

アリス・アベルから、アンジェラに切り替わる少女…。

そっとザリチェの右手を、両手で握った。


「…ううん…気にしてないから……」

ザリチェは軽く微笑むと、アリスの両手を左手で撫でた。





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