ブラッディ アリス
その後、タウティの一声に続き、クレスタが挨拶をした。
「僕はアンジェラの兄、カルマです。よろしく」
サッと飛んできたカイルは、アリスの頭を撫でたタウティの右手を力強く握る。
「よ…よろしく…??…アンジェラも兄がいたんだね…」
苦笑いをしながら、タウティはカイルから目を逸らし、アリスを見る。
「しょうもない兄なんです」
アリスはにっこり笑ってそう答えながら、思いっきりカイルの背中を叩いていた。
そして次にカナリィ、クロウが自己紹介をしたが…結局ファルコンが自ら名乗ることは無かった…。
「…兄さんとクレスタのご飯…できてるから」
ザリチェはそう言って二人をダイニングルームに導いた後、少ししてからリビングにいる人数分の紅茶を運んできた。
「…ありがとう…」
カナリィは嬉しそうに紅茶を受け取ると、暫しその香りを楽しんでいた。
「…この施設の説明をするわね…」
自然と全員がソファーに座ったのを確認し、ザリチェはゆっくりと口を開く…。