ブラッディ アリス


その後、タウティの一声に続き、クレスタが挨拶をした。


「僕はアンジェラの兄、カルマです。よろしく」

サッと飛んできたカイルは、アリスの頭を撫でたタウティの右手を力強く握る。

「よ…よろしく…??…アンジェラも兄がいたんだね…」

苦笑いをしながら、タウティはカイルから目を逸らし、アリスを見る。

「しょうもない兄なんです」

アリスはにっこり笑ってそう答えながら、思いっきりカイルの背中を叩いていた。

そして次にカナリィ、クロウが自己紹介をしたが…結局ファルコンが自ら名乗ることは無かった…。



「…兄さんとクレスタのご飯…できてるから」

ザリチェはそう言って二人をダイニングルームに導いた後、少ししてからリビングにいる人数分の紅茶を運んできた。

「…ありがとう…」

カナリィは嬉しそうに紅茶を受け取ると、暫しその香りを楽しんでいた。


「…この施設の説明をするわね…」


自然と全員がソファーに座ったのを確認し、ザリチェはゆっくりと口を開く…。




< 317 / 657 >

この作品をシェア

pagetop