ブラッディ アリス



「…オロバス…」


真っ直ぐ鏡に向かったアリスは、そっと装飾された部分に触れる。

「…鏡よ鏡…………」

鏡の中からふっと姿を見せた魔導師オロバスは、とても不安そうな表情でアリスを見つめた。

「…一ヶ月前の『特別授業』の日……ここで何があったのか…知ってる…?」

アリスの問いかけに、オロバスは俯く。

「……存じております」

「…今日が『特別授業』だということも?」

「…はい…」

「…そう…。…何があったのかは聞かない。…これから私はこの目でそれを見てくる」


アリスは「ふぅ」とため息をつくと、鏡に寄り添った。


「……『ヘンゼル』と『グレーテル』に会ったの。…あなたの言うとおり、すでにこの施設の中にいた…」

オロバスはアリスの髪に触れるように、手を近づける。

「……あなたと、あの二人を…ちゃんと対面させるのは…私よ…」

アリスはゆっくりと鏡から体を離し、真っ直ぐにオロバスを見つめる。


「………待ってて…」






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