ブラッディ アリス

ⅩⅩⅤ






時刻は午後7時を過ぎた。


廊下にあった時計を見つめ、自分はどれほど寝ていたんだろうと、アリスは軽く舌打ちをする。



「着きました。この部屋に、リトルメラ侯爵と…あなたのお友達がいらっしゃいます」


大きな扉の両端には、スーツ姿の男が二人。

ラビはわざとらしく丁寧な振る舞いでアリスを招く。


「………」

無表情なスーツ姿の男たちは、ラビの合図でゆっくりと扉を開いた。




「……ラミア様…アンジェラを連れてまいりました…」


室内に入るなり、深く礼をするラビ。


アリスは少し顔を俯かせ、静かにラビについていく。




「やっと目が覚めたのね。…アンジェラ…」


大きなソファーに寝転がり、ニヤリと笑うラミア。



「…アンジェラ…!」


部屋の隅では、縛られたミルフィーユの三人が驚いた様子でアリスを見つめた。






< 440 / 657 >

この作品をシェア

pagetop