ブラッディ アリス




「……おやすみ……カナリィ……」




ロビンの望み…それは、カナリィと共に全てを終わらせること。

本当は自分の手でカナリィを殺め、その後自分も死ぬつもりだった。


もう動かないカナリィを、ただ静かに見つめるロビン…。


ガラス張りの部屋の外では、真っ赤な炎がだんだんと迫ってきている…。





「……これでいいの…?…オロバス…」


ロビンの存在に気づいていないアリスは、兄妹と睨みあいながら、鏡に問いかけた。


「……もう…いいのです……。これで私も、解放される……」

オロバスは優しく微笑んで、アリスに触れようとする。



「…せっかく……子孫に会えたのに……?」



アリスは、数分前のオロバスの言葉を思い返す。









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