ブラッディ アリス



朝6時、鐘の音が遠く響く。

窓から差し込む陽の光が、外の明るさを表す。

ゆっくりと瞼を開けると…そこにはカイルの寝顔と、自分に絡みつくラビの腕。


「…もう朝…?」

アリスは目を擦りながら起き上がる。


「おはよう、アリス。侯爵と白雪姫はもう起きてるみたいだよ」

「あら…ラビ…早いのね…。……鐘の音…?…あぁ…シャルル夫人が広場に向かう合図ね…」

そう言ってあくびをした後、アリスはカイルの体を揺する。

「ふ…?ん…。…朝か…」

腕を伸ばし、目を開けるカイル。
「…アリスと寝たせいで…ラビに殺される夢を見たよ…」

「なに言ってるの?私はカイルと寝たせいで、キオネに殺されるの決定よ」
アリスはラビの体をまたがりベッドから降りようとする。

「殺されに行くんだろ?自分から」
自分をまたぐアリスの腕を引っ張り、ニヤリと笑うラビ。

「あはは…むしろ殺しに行くのよ」

そう言って笑いながらラビに抱きつくアリスは、普通にしていれば何の変哲もない少女なのに…。



兎の穴は日に日に深く、兎の罠は日に日に大きくなっていく。







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