ブラッディ アリス




「……ここまで気は狂ってない…。それに、俺は写真とかでしか見たことねぇよ。現場の状況とか…」


ミカエルは床に転がる小さな手をじっと見つめる。


「…ゾディアックに選ばれる人間なら…これくらい平気でいられるための訓練は受けてる…。…まぁ…カルサは苦手みたいだけどね…」


ラビはそばにあった台に軽く腰かけ、置かれた数種類の薬品を手に取り眺めた。


「……ラビ……お前…何者なんだ…?……どうしてアベル家に現れたんだ?」


ミカエルは目線をラビに移し、問いかける。



「……ご存知でしょう…?…亡くなられたリナリア様からの依頼で、アベル家に雇われたんですよ…。証拠の文書だって、ゾディアックに提出してますし…」


「…たしかに…っ…俺もその文書は見せてもらった…。ちゃんと…リナリア様のサインもあった……だけど…」


「……信用できませんか?…」



ミカエルは静かに拳を握り、キッとラビを睨みつける。






「……その瞳の色……おかしいだろ……」










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