ブラッディ アリス





…ピッ…


「…よし」


アミとの電話を終え、イザベラは一息つく。


「…こちらでございましたか…ヴァイオリア公爵…」

「…誰っ?!…」


背後からの声を聞き、慌てて振り返るイザベラ…。

そこにはにっこりと微笑んだゲルニカが立っていた。


「…メイフリーク伯爵…!」

「コンテストについての最終確認をしていただきたく…お捜しいたしましたよ…」

「そう……私も今あなたの部屋へ向かうところだったの…」

「…そうでございましたか……では参りましょう…」


ゲルニカはイザベラの横を通り過ぎ、イザベラの前をスタスタと歩き始める。


「…待って…伯爵…。聞きたいことが…」

「ええ。わかっております。私も、改めてお話したいことがございます」

ゲルニカは足を止めることなく、そう言いながら廊下の角を曲がって行ってしまった。



「………」

ゲルニカの態度に少し不快感を感じつつも、イザベラは気持ちを抑えて後に続いた。






< 655 / 657 >

この作品をシェア

pagetop