幸せをあつめて
綺麗だなあ‥。
それと同時に、田舎なんだな、と思った。たまにふと思ったりするけれど、私はこういうのが嫌いじゃなかった。

友達は、星なんて見えないよ、と冗談のように言っていたけど、この空を見ているとそんなことは想像できなかった。
星が見えない夜空なんて‥。


もしかしたら、星をまともに見たことがない子だっているのかなと思った。
少し胸の奥が痛かった。冷たい風が余計に身にしみた。

手のひらのココアだけが温かかった。
少しだけ涙がでたけれど、歩いているうちにどこかに消えてしまった。

みんな、同じ空を見上げているはずなのに、どうしてなんだろう‥
点滅を繰り返す星たちが、少しだけ悲しかった。

(終わり)
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