【完全版】HIDE&SEEK-心と心のかくれんぼ-
少し冷たい潮風が私達二人を包み込む。



少し残念そうな勇将先輩の横顔を見ていると、ぽろりと本音が漏れる。



「…私だって、先輩と会えない日は心臓が痛いし、先輩の笑顔を思い出す度に苦しいし、隣に並ぶ度に胸がキュンってする。」



あー…言ってて恥ずかしい。



勇将先輩の方も、私の言葉に目を見開いて固まっている。



「あーもー。ほら、私が言うとこういう空気になる。」



めんどくさくなって私は色素の薄い自分の髪の毛をわしゃわしゃかいた。



すっげーむず痒い。マジ無理。私には無理。
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