【完全版】HIDE&SEEK-心と心のかくれんぼ-

Load-夢への、それぞれの道

勇将先輩達の受験から一週間と少し経ったある日。



私はドキドキしていた。



何故なら、今日が勇将先輩達の合格発表の日だったからだ。



私は携帯電話を机の上に置いて、凜と龍太郎と机の周りを囲んでいた。



ジーッと見つめていると、携帯がバイブレーションで動く。



「きっきらぁ!鳴ってっぞぉ!」



「分かってるよ。」



私は電話に出る。



「もしもし。」



『もしもし気良?』



私の耳元に、少し遠く勇将先輩の声。



「どうだったんすか?」



『残念ながら…』



受話器の向こうからかなり暗い声が響く。



「そっすか…。」



私も思わず、暗い声を出して答えてしまった。



『残念ながら合格やぁ!』



しかしその直後、勇将先輩が嬉しそうに叫んだ。
< 394 / 440 >

この作品をシェア

pagetop