【完全版】HIDE&SEEK-心と心のかくれんぼ-

「大丈夫か？」



標準語とは違うイントネーションの低い声が響いた。



「あ、すんません。」



やっぱり、私は人にぶつかったらしい。



「ええよ。俺も急いでてちゃんと見てへんかったし。堪忍な。」



その人は優しそうな目を細めて微笑んだ。



これが世間一般で言う、『超イケメン』なんだろう。



私は落としたスクールバックを拾ってその人に頭を下げてその場を去った。




そういえばあの人、どっかで見たことあるような…。




まぁいいや。




思い出せないってことは、たいしたあれでもないし。




私は何事もなかったように教室に向かった。