もっと、満たして【完】
「この1か月、ヤッてないってどうなの?」

目の前のパスタをフォークに巻きつけながら
聞いてくるのは、同僚の真樹

「どうなのって。そうなの」

「いい年した、男と女がセックスしないで何するのよ。」

信じられないと言わんばかりに
大きなため息を吐かれた

「別に。ただ話すだけ」

「何それ。小学生ごっこ?」

「何それ。」

「無駄な時間過ごすなって意味」



『体の相性が合わない男はいらない』

が信条の真樹には、どうしても私と悠の関係が奇妙で仕方ないみたいだ



「お互いがヤリたいと、思えばするんじゃない?」


確かに体の相性が合わない男とするセックスは苦痛だ
そういう意味では、もし悠とのセックスが合わなければ

真樹が言うように
無駄な時間になってしまうのかもしれない。


でも今は、セックスより、悠の事をもっと知りたいと
思ってしまう。沢山話したいと思うのだから仕方ない


悠だって、同じ気持ちだと思う


現に、電話でも話しだせば、高校生並みに長電話になる
次の日が仕事だろうが、電話を切ると日付が変わっていることが殆ど


そう言うと、呆れたようにため息を吐く真樹が言った


「好きって事じゃん、それって。」











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