キス魔な彼。
その場の空気がピキッと凍る。
あたしも、その原因だったと思う。
まん丸にあけた目で、まじまじと見てしまっている例のあの人。
「ちょ、もー! 明(あきら)!やめてよーっ!」
凍った空気をカバーしてくれた、ポーカーフェイスこと、いくちゃん。
いくの勇気ある一言のお蔭で皆が笑ってくれてその場が少し和んだ。
…みんな、ちょっと苦笑いなんだけどね、。
「……」
若干一名
一番笑わなくちゃいけない
アタシが唯一、黙ってた。